明導寺さんは昨年、仏教伝道協会主催の掲示板大賞において見事「仏教伝道協会大賞」を受賞されました。
明導寺藤岡住職の解説と共に8月上旬の掲示板の言葉をご覧ください。
<明導寺 2021年 8月下旬 掲示板の言葉>
本当の別れは 会えなくなることではなく
忘れてしまうこと。 【小学六年生 平和のちかい(広島平和式典)】
戦後76年が経過した今年も、世界唯一の被爆国として大切な日を迎えました。
8月6日の広島市、8月9日の長崎市での平和記念式典。
昨年から続くコロナ禍のため参加者が一定数に制限されていましたが、
たくさんの方々が犠牲者の方々に思いを寄せ、手を合わせられる姿がありました。
今回の言葉は、広島市にて行われた平和式典にて小学6年のお子さん方が
「平和のちかい」と題して読まれた文章の一部を抜粋させて頂きました。
国内外の多くの参加者を前にして、しっかりと自分の言葉で読み上げられる様子を拝見し、
感動するとともに、過ちは二度とくり返してはならいなという強い思いを感じました。
抜粋ではもったいないので全文を掲示します。ぜひご一読ください。
私たちには使命があります。あの日、広島で起きた悲惨な出来事。
そのことを知り、被爆者の方々の思いや願いを聞き、考え、平和の尊さや大切さを世界中の人々や次の世代に伝えなければならないです。
昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分。
赤く燃え、真っ黒に焼け焦げてボロボロになった広島の町。
「兄が死ぬより、わしが死んだ方がよかった」
大切な人が亡くなった悲しみと生き延びた者の苦しみには終わりはありません。
心に深く傷を負った被爆者は、それでも前を向き
「僕ら若人の力によって、きっと平和な世界を築き上げてみせる」と決意しました。
悲しみや苦しみを抱えながらも、被爆者の方々は生きることを決して諦めず、
共に支え合い、広島の町の復興に向けて立ち上がりました。
本当の別れは会えなくなることではなく、忘れてしまうこと。
私たちは、犠牲になられた方々を決して忘れてはいけないのです。
私たちは、悲惨な過去をくり返してはいけないのです。
私たちの願いは、日本だけでなく、全ての国が平和であることです。
そのために、小さな力でも世界を変えることができると信じて行動したい。
誰もが幸せに暮らせる世の中にすることを、私たちは絶対に諦めたくありません。
争いのない未来、そして、この世界に生きる誰もが、心から平和だと言える日を目指し、努力し続けます。
広島で育つ私たちは、使命を心に刻み、この思いを次の世代につないでいきます。
令和3年(2021年)8月6日 こども代表