人吉・球磨 風水・祈りの浄化町にある明導寺さんからのご案内です。
明導寺さんは昨年、仏教伝道協会主催の掲示板大賞において見事「仏教伝道協会大賞」を受賞されました。
明導寺藤岡住職の解説と共に3月上旬の掲示板の言葉をご覧ください。
<明導寺 2021年 3月上旬 掲示板の言葉>
活躍とは その時その場所で
幸せを感じながら 生きるということです。
【熊本県 高校教師】
今年も、昨年から続くコロナ禍ゆえ、様々な制約の中で「卒業式」が行われています。
昨年3月に熊本県内の高校の先生が卒業生へ贈られた言葉を抜粋させて頂きましたが、
「ある先生の言葉が忘れられない」と新聞記事になっていた言葉の全文は下記のとおりです。
皆さんの活躍を願っています。活躍とは、一番になったり、大きな業績を成し遂げたりすることではありません。その時、その場所で、幸せを感じながら生きるということです。
高校を卒業し、これから社会に羽ばたく若者たちに向けての言葉は愛情に満ち溢れていて、
コロナ禍を生きる我々にも大きなメッセージを投げかけている実に深い言葉だと感じます。
ノーベル平和賞を受賞されたマザー・テレサさんが来日された際に、このように話されています。
日本ほど、あらゆる面で恵まれた豊かな国はありません。しかし、その日本に住む人たちに笑顔がまったくないことに驚きました。国によっては、路上に死人がいてハエの群衆が押し寄せる光景が未だに残る中、日本は整備されていて、街も美しく、そして賑わっているのに
私が訪れたどの国の民族よりも、その表情に貧しさと暗さを感じました。
これは、1980年代に来日された時の感想ですので、現在のコロナ禍では、
表情は「貧しさ」と「暗さ」の上に「険しさ」がプラスされ、
言動も荒々しさを増し、常軌を逸していると感じられるかもしれません。
仏教には「少欲知足(しょうよくちそく)」という言葉があります。
文字通り「欲を少なくして足ることを知る」という意味がありますが、
お釈迦さまが亡くなられる前の教えとされる『仏遺教経(ぶつゆいきょうぎょう)』には
足ることを知っている人は、たとえ「地べた」で寝るような生活をしていても心は安らかで
幸せを感じている。しかし、足ることを知らない人は、「天上の宮殿」のようなところに暮
らしていても満足を感じられない。足ることを知らない人は、どんなに裕福であっても心は
いかにも貧しい。
と記されています。ここで示されている「知足」とは「あるもので我慢する」のではなく、
「あるものから喜びを見出す」ことだといえるでしょう。
「少欲知足」の教えを大切にする中で、自分自身の力だけで生きているという概念から脱却し、
様々な支えの中で「生かされている」ことを実感しながら、
心から感謝することが「幸せを感じる」ことになるのではないかと思います。
振り返ってみると、3年前の明導寺掲示板に
「幸せだから感謝するのではない。感謝するから幸せになれるのだ」
という言葉を掲示しました。他人と比較して幸せを感じるのではなく、
何気ない普段の生活の中から幸せを感じることが出来れば、数多くの幸せに出会うことができ、表情に柔らかさが、行動に穏やかさが表れてくるのではないかと思います。