人吉・球磨 風水・祈りの浄化町にある明導寺さんからのご案内です。
明導寺さんは昨年、仏教伝道協会主催の掲示板大賞において見事「仏教伝道協会大賞」を受賞されました。
明導寺藤岡住職の解説と共に2月下旬の掲示板の言葉をご覧ください。
<明導寺 2021年 2月下旬 掲示板の言葉>
生きてるだけで 丸儲け 【明石家さんま】
人気芸能人の明石家さんまさんの座右の銘は「生きてるだけで丸儲け」。
この言葉の頭文字をとった「いまる」を娘さんの名前にされたほどで
サインを頼まれると、この言葉も併せて記されていると聞きます。
実は、さんまさんの衝撃の実体験がこの言葉を生み出したといわれています。
それは、幼少のときに弟さんが火事で亡くなられたこと。
また、1985年、日航機墜落事故に遭った飛行機に本来は搭乗予定でしたが、
たまたま収録が早く終わり、一便前の飛行機に変更したことで九死に一生を得たという事実。
さんまさんは、「死」と隣り合わせの現実を実体験から学び取り、
心の底から「生きていること」がどれだけ有難いことかと痛感され、
「生かされていること」への感謝の思いをその言葉に託して綴られているのでしょう。
しかしながら、自分自身を振り返ってみると、いかがでしょうか?
朝に目を覚ましても、「生きててよかった」「有難い」とは思わず、
「寝坊しなくてよかった」「今日も寒いな」「布団から出たくない」など
「生きてるだけで丸儲け」の実感は微塵もありません。
さらに、日常の生活の中でも、すべてが当たり前すぎて、感謝の思いどころか
「あれがない」「これがない」と手元にないものばかりに目が向き
自分自身の欲望ばかりに振り回されている現状があります。
目覚ましい復活劇を遂げられている競泳の池江璃花子さんは、
ご自身が白血病の病を克服し、退院して間もないころ
あの、さんまさんが言っていた”生きてるだけで丸儲け”という言葉。
間違いないなって、もう心の底からそう思って、とにかく水泳やるより生きていること。
こうやって生きて、みんなと一緒にいることが一番だなあって思う。
このように正直な胸の内を話されています。
考えてみると、自分自身が病にかかった時、あるいは日常の生活がままならなくなったとき
健康の有難さに気づき、いかに日常が有難いのかと知らされます。
コロナ禍や災害に遭ったことで、普段の生活の有難さを痛感した方も多かったことでしょう。
何もかもが当たり前と感じる生活からは、不満や愚痴しか生まれてきません。
実は、「当たり前」が当たり前ではなく、「有難い」ことだったと気づくことで
そこから感謝の思いが溢れ出てくるのです。
さんまさんがおっしゃる「生きてるだけで丸儲け」には、
諸行無常の世の中で、常に死と隣り合わせの我が「いのち」が保たれていること、
そして自分自身が「生かされている」ことを心から実感する言葉だと私は頂いています。