明導寺さんは一昨年、仏教伝道協会主催の掲示板大賞において見事「仏教伝道協会大賞」を受賞され、大賞に選ばれた言葉が雑誌「女性セブン」に取り上げられました。
また、令和4年10月3日のNHKニュース「おはよう日本」で明導寺掲示板が取り上げられました。
明導寺藤岡住職の解説と共に2月上旬の掲示板の言葉をご覧ください。
<明導寺 2月上旬 掲示板の言葉>
失敗しないことも立派だが
失敗をプラスに変えて
生かす生き方は それ以上に立派だ
【東井義雄】
1月下旬は全国的に強烈な寒波が襲来し、大雪に見舞われたところも多かったようです。
人吉・球磨地方も、寒さ厳しい日々が続き、積雪こそ僅かで収まりましたが、「10年に一度の寒波」と報道された1月25日の早朝には盆地特有の冷え込みで-8℃を記録し、水道管が破裂するなどの被害が出ました。
そのような大寒波の中に、「人吉・球磨 観光地域づくり協議会」主催の「三日月詣」が初めて開催され、「お寺体験」や「三日月マルシェ」など多くの注目を集めましたが、初日には、明導寺の飛地境内である「浄心寺」にて、「三日月石」をお供えし、「三日月石 供覧慶讃法要」を超宗派11人のご住職と共にお勤めさせて頂きました。
読経前には、雅楽隊を先頭に和装したメンバーや出勤された僧侶が700枚の華葩(けは)が風に乗って見事に舞う中、厳かに入堂される光景は、何度も法要にお参りされた方でも珍しかったようで、多くのSNS投稿の源泉となっていました。
これまで、この法要をお勤めするために、人吉・球磨のお寺さまに幾度となくお伺いし、人吉・球磨地方 全10市町村のご協力をいただき、官民一体となって推進する当プロジェクトの意義や、今回の法要の趣旨を説明する中で議論を積み重ねて参りました。
しかしながら、「人吉球磨を何とかしたい」「どうにかしなければならい」という思いはあるものの宗派を超えてとなると、なかなか話がまとまらず、失敗の連続。
さらには、甚大な被害が人吉球磨を襲った「令和二年七月豪雨」発災直後には、「解散」との声も聞かれ、積み上げてきたものが音を立てて崩れ落ちる感覚に陥りました。
それでも、このままでは「これまで」の繰り返しになってしまうと、決して諦めなかった民間事業者若手メンバーの熱い想いと丁寧な行動が各寺院のご住職方に届き、16寺院のご住職にご協力をいただいて「三日月詣」を無事に行うことができました。
鎌倉時代初期創建の浄心寺の堂内にて他宗派のご住職方とお勤めした歴史的法要の中で、道元禅師の
「今の一当は昔の百不当の力なり、百不当の一老なり」
という言葉が思い出され、失敗をプラスに変えて行動してくださったメンバーの行動が走馬燈のように駆け巡りました。
「百不当」と表現されているように、弓で何度も的を狙って矢を放っても、なかなか当たりません。
しかし、何千回も何万回も繰り返していくことで、いつしか的を射ることができるようにその的を射ることができた「一当」が「百不当の力」であり「百不当の一老」と説かれています。
つまり、いかなる状況にあろうとも「失敗」することの大切さ、うまくいかなくても継続していくことの大事さを教えて下さっている言葉だと頂いています。
「失敗」があるからこそ「成功」したときの喜びは大きなものとなる。「三日月詣」の閉会式で見せてくださったスタッフの満面の笑みがそれを物語っていました。